きもの男子通信

必見!玉三郎・仁左衛門さんの「神田祭」@三月大歌舞伎@歌舞伎座・・・そして異性愛でも同性婚していいのでは、と思った。

行ってきました。三月の歌舞伎座夜の部。


一番印象に残ったのは舞踏「神田祭」。


舞踏って、自分は途中で飽きちゃうときもあるのですが、こちらは別格。

とにかく二人のビジュアルのバランスがいい。
踊りも息がぴったりあって自由自在。
仁左衛門さん73歳、玉三郎さん67歳というのが信じられない瑞々しさ、美しさ!
そして、お二人の中の良さ。
最後は花道七三で頬寄せ合って(っていうかチュウ?)

二人は結婚したほうがいいね!・・・と思いました。もはやセクシュアリティは関係ないかも。

そんな二人を見て思ったのは、同性婚が可能になったら、セクシュアリティに関係なく、同性と結婚する人もいるんじゃないかなということ。異性愛の人でも、人生のパートナーとして同性の人と生活して、遺産もその人に残したいという人がいても当たり前だと思う。(そう考えると、逆に同性愛の人で異性の人と結婚している人が必ずしもみんな不幸とも言えない気がする。)

ところで、今回初めて歌舞伎座の中にある「吉兆」に行ってきました。
お料理はとても綺麗で美味しかったけど、30分で食べるのはちょっと忙しいかも。








着物は緑っぽい無地の紬にいつも締めている紋博多の帯。この帯は気に入っていて、夏以外、いつもこれを締めています。同じの(あるいは同じようなの)を探しているけど、どうしても見つからない!



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玉三郎さんの淀君「沓手鳥狐城落月」・・・10月大歌舞伎夜の部

書こう書こうと思っていましたが、考えがまとまらず・・・ちょっととっ散らかってますが、忘れないうちに書いておくことにしました。



「沓手鳥狐城落月」は「ほととぎすこじょうのらくげつ」と読みます。

大阪城の最後を描いた、坪内逍遥作のお芝居です。

最初は大阪城奥殿の場。
金泥に松の襖絵の御殿に淀君、千姫、そして侍女たちがいます。

徳川方に通じ、千姫を連れ去ろうとした小車の局を、淀君(玉三郎さん)が薙刀で成敗。疑心に囚われた淀君は、周りの者たち叱責し、疑いまくる。もちろん千姫(米吉さん)も。

戦火はさらに激しくなり、千姫は大阪城を脱出。

追いつめられ、大阪城の天守閣に登った、淀君たち。淀君はもはや正気を失って、色々なことを口にします。家来の一人である内膳にしなだれかかったりもするのです。「狂気の権力者」というより、一人の女性の色々な面が次々と現れる、という感じでした。周りの人々ももはや淀君を恐れるというより、心配しているという様子です。息子の秀頼は、そんな淀君をみて、思いあまって手にかけようとするのですが、周りの者達が必死に問えます。

この場面に「この日本四百余州は、みずからが化粧箱も同然じゃ」という有名な台詞があるのですが、玉三郎さんは、そこも、浮かんでは消える色々な言葉の一つ、という感じで、とりわけ声を張るようではなく、言ってらした。

もともと坪内逍遥は、朗々と台詞を言うように考えていたそうで、例えば歌右衛門さんもそのように演じていたそうですが、玉三郎さんはかなりそれとはちがったもののです。

私は歌右衛門さんの淀君は観ていないので、比べることはできませんが、この玉三郎さんの淀君、とてもいいと思いました。

最後の最後に現れたのは、権力者でも妖艶な女でもなく、一人の母の顔。

秀頼の顔をみて「涙でいっぱいだ」と不思議そうに、少し心配そうに見ている。

それを見た秀頼も、ただこの母を助けたいと思う。そして周りの人もそれがもっともだと思う。

淀君の錯乱が、私には認知症の人のようにも見え、同じように感じて胸を突かれる思いがしたお客さんもいたと思います。


これは幕間のお弁当についていたお吸い物。

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歌昇さん・種之助さん勉強会「双蝶会」@国立劇場

に行ってきました。



演目はなんと「大蔵卿」と「吃又」!
どちらも難しい演目。





ポスターで見ると、なんだかちょっとあどけない、ような。

席は1列目の右端だったので、ちょっと見にくい
かなと思ったのですが、小劇場なので大丈夫でした。
というか、義太夫と三味線がすばらしかったので、とても良かった。

大蔵卿の太夫は、竹本愛太夫さん。
格調の高さと迫力に圧倒されました!

舞台に最初に現れる鬼次郎(歌昇さん)とお京(米吉さん)。
米吉さん、こういう年増もいける!っていうかすごくいい。
絶世の美女の役じゃないし、拵えも地味なんだけど、綺麗。
まさに、歌舞伎の女形の美!
歌昇さんのさっぱりした鬼次郎もぴったり!
お似合いの演技と踊りが合わさった動きが美しい。

常磐御前(壱太郎さん)、優雅な雰囲気はあると思うけど、あのお化粧は、もともとああいうものなのかしら。すごく気になる。
大蔵卿(種之助さん)、うーん。ちゃんとやっていらっしゃるけど、もう決まっている「大蔵卿」のお芝居の動きを一つ一つクリアしている、みたいな「段取り」感がある、ような。いや、実際段取りはあるだんろうけど、それが段取りに見えず、もっと自然に流れるようだといいと思う。

「吃又」。こちらの義太夫は葵大夫さん。細かな感情の現れがすばらしい!
歌昇さんが吃又で、種之助さんが女房おとく。
このコンビはとても良かった!
種之助さんのおとくは最初から達者だなー、と思う一方、歌昇さんは最初、吃又にはイケメン過ぎでは、と感じたけど、吃りながらしゃべり出してからはすごかった。ある種現代劇的な演技が、舞台に強い緊張感をもたらしてました。そして、種之助さんと二人、この世に二人っきりというのが、ひしひしと感じられた。(本当は周りの人も二人のこと、気にかけてるんだけどね。でも、吃又とおとくは、主観的には二人きりと感じてると思う。)

だけど、土佐の名前をもらってからは、もっとスピード感が欲しかった。着替えるところとか、とても長く感じてしまった。こちらも私にはやっぱり段取りに見えてしまった。

今回の勉強会、全体としては、もう、ここまで出来るんだ!という驚き。

そして、米吉さん。可愛いだけじゃないことを改めて実感。
(可愛いのももうちょっと見ていたいですが)

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菊五郎さん、すばらしかつた!四千両小判梅葉@猿若祭二月歌舞伎座

四千両小判梅葉は、黙阿弥作の白波(泥棒)物。

安政2年(1855年)に起きた、江戸城の御金蔵から四千両が盗み出された実話を元にしています。

なので、江戸時代だったら上演は無理ですが、明治18年の作品なので、登場人物の名前も実名だそう。
そして、明治の作品だからこそ、より「江戸情緒」にあふれている気がします。

最初の場面は、四谷見附の門外、お堀端のおでんの屋台。屋台の亭主は富蔵(菊五郎さん)。
そこに浪人、藤十郎(梅玉さん)が通りがかかる。この人、遊女に入れあげていて、お金に困り、この遊女を身請けしようとしている升酒屋の息子を待ち伏せて、身請けのお金百両を奪って殺そうとしている。

富蔵は、藤十郎の計画を見抜くが、藤十郎のお父さんに使えていて恩があるので、やめさせる。
そこまではもっともなんだけど、富蔵は、今は地道にやってるけど、実は泥棒で召し捕られ、入れ墨を入れられていて、藤十郎に、「どうせやるなら、もっと大きなことをした方がいい」といって、江戸城の御金蔵破りを持ちかける・・・

と書くと、はあ?という感じですが、これが、菊五郎さんの芝居で観るとすごくいい。
肝が据わった感じが男らしくてかっこいい。

で、いろいろあって、結局富蔵は捕まって牢に入れられるのですが、この場面も面白い。

黙阿弥は、幕末に代言人(弁護士)だった知人から資料を手に入れて、当時の牢屋の様子をお芝居で再現したそう。

舞台の後ろは全部格子になっていて、牢名主を初めとして、50人くらいの罪人がずらりと並んでいる。
その中には、牢名主を頂点とした厳しい秩序があり、富蔵は、管理職(?)になっている。
ここに、次々と新入りが入ってくる。
新入りの待遇は、持ってきたお金による。
お金がないと裸で踊らされて、その後もひどい目に。
大金をもってくれば「労ってやらねばなるめい」ということに。
お金がなくても若さと美貌であれば、これも待遇がいい。
スリで入所した菊之助さんは、「病気のおやじの足を揉んでおりやした」と自らアピール。
こちらも「労ってやらねばなるめい」ということに・・・

この牢のシーン、ビジュアル的にも内容的にも、なんというかアングラ演劇というか蜷川さんのお芝居とかみたいだった。

明日は、死罪という富蔵に、牢名主は、唐桟(縞)の着物と博多帯を与えて、立派な死を遂げてこいという。
そして当日、富蔵と藤十郎は、牢からの題目と声援を訊きながら、刑場へと向かうのでした。

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菊之助さんのパドドゥ、凄かった・・・・11月歌舞伎公演「仮名手本忠臣蔵」@国立劇場

なんだか、いつもやってる感じの「忠臣蔵」ですが、今回は、国立劇場開場50周年記念ということで、全段を10月から3カ月に渡って上演。しかも、あまり上演されない場面も含め、上演可能な場面をすべて網羅しているそうです。

私が見たのは、11月公演で、
 浄瑠璃 道行旅路の花聟
 五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
      同   二つ玉の場
 六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
 七段目 祇園一力茶屋の場
でした。

一番印象に残ったのは、しょっぱなだったからかもしれないけど、お軽勘平の道行、とくに菊之助さんの踊り。

最前列の真ん中よりやや、下手よりだったので、菊之助さんの手相が見えるくらい良く見えました。

もう、「どや、どや、どや、これでどうやー」、という感じで、どんどん押してきます。上手いわー。
雰囲気としては、クラッシック・バレエの最後の方のパドドゥで、これまでのストーリーとは関係なくプリマが踊りまくる、みたいな感じ。

迫力がありすぎて、「お軽としてはどうなの?」という気持ちもしますが、今、乗りに乗ってる菊之助さんを見ることができて良かった!

鉄砲渡しの場、猪と間違われて打たれる色悪、斧定九郎は、松緑さんでした。
うーん。
この場面は、斧定九郎が意味もなくやたらいい男であることが不可欠である、と改めて思った。

与市兵衛内勘平腹切の場、口入れ屋の女将さん、良かったです。ちゃんとしてるんだけど、奥底にはすごみがあり、でも、極力それを見せない感じ。

一力茶屋では、又五郎さんが大活躍。
今回わかったのは、お軽の兄、平右衛門がお軽を殺そうとするのは、討ち入りの秘密を守るためもあるけど、「足軽の自分が参加するには、それくらいやらないと無理」という気持ちがあったということ、っていうかむしろそっちがメイン。(だって、お軽は由良之助に殺されると平右衛門は思っているのだから)
別に足軽の平右衛門が討ち入るすることを周りが期待してる訳ではなくて、平右衛門自身がどうしても参加したかった。

前にも書いたけど、「忠臣蔵」は、藩がお取り潰しになったために、ある意味身分から「自由」になった人たちが、自分の意思で、討ち入りに参加する話で、そこにある種の爽快感があります。
たとえ、最後に切腹するにしても、その時代には普通できなかった、自分の人生の選択ができた。

だから忠臣蔵は、「死に方」についてではなく、「生き方」についての物語だと思う。

吉右衛門さんの由良之助。
なんだか、すごく若がえってた。
永遠のヒーロー、吉右衛門さんの本領発揮、でした。

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