きもの男子通信

能 友枝明世の会「三輪」神遊@国立能楽堂

能楽師、友枝明世(ともえだあきよ)さんがシテ(主役)をつとめるお能「三輪(みわ)」を観てきました。


明世さんは超人気、ということは前から聞いていたのですが、「きっとチケット取れないだろう」と思って、一度も行ったことがありませんでした。
ところが、今回公演の数週間前に事務所に電話してみると、チケットがほんの少し残っていたのでした。
良かった!

さて、お話は・・・

奈良の三輪山に住むお坊さんのところに、毎日仏様に供える木とお水を持ってくる女の人がいました。
ある日、その人がお坊さんに「夜寒いので衣をください」と頼みます。
お坊さんが、住まいを尋ねると、「三輪の山の麓の杉の木の立っているところです」といって消えてしまいます。
その後、村人がお坊さんに「三輪山の杉の神木にお坊さんの衣がかかっていた」と知らせにきます。
お坊さんが、そこに行ってみると杉の木の陰から三輪の神様(女神です)が現れ、三輪の神様の伝説を舞ったあと、今度は天照大御神の天岩戸のお話を舞います・・・

明世さんは、最初の謎の女性(前シテ)と後半の神様(後シテ)の役です。
前半は、お能にはよくありますが、なんというか、さみしげな感じ。
途中の登場する村人が登場するところは、狂言の人(人間国宝の山本東次郎さん)が演じているせいか、普通のお能よりもリアル(?)な感じがしました。
そして、いよいよ舞台に置かれた杉の木に見立てられた作り物(木の枠に布を掛けたもの)から神様が登場。
この神様は、女性のお面に烏帽子、白い単衣の狩衣に赤い大きな袴(大口)という姿・・・つまり男装なのです。
この姿が、清らかで美しい!
これまでの(色々不思議なことは起きていたが)現実の世界から、別の世界へ。

三輪の山の神様の伝説を舞っている時は「自然界の精霊」という感じです。
次に、天岩戸の舞いに移り、まずはアマノウズメとして神楽を踊ります。そして、橋懸かりを渡って、左端まで行くと左腕を挙げ袖を翻し(「翁の型」というのだそう。お能の「翁」の人形に良くあるポーズです)、さーっと舞台に戻ってきて、こんどは天照大御神になってさらに高次元の世界へ。

普通、舞台に神様が登場しても、なかなか本当に神様と思うのは難しい・・・というかほとんど無理だと思うけど、今回は「あ、神様がいる」と納得した。

それは、以前、御殿場の方に行ったとき、大きな富士山を見て、「日本が戦争に負けるはずがない」と思ったのと同じ感じ。それと同じように、「これは神様なんだ」と思った。理屈抜きってことです。

今まで、実は、「お能って、お能を習ってない人が見てもあまり面白くないんじゃないかな」と思ってた。
でも、今回の「三輪」はお能を全く知らない人が観ても「神様を見た」と思ったに違いない。

あと「神遊」(かみあそび)というのは、三輪の小書(こがき:各流に伝わる演出方法)の一つで、先ほどの装束や翁の型などは、それによるそうです。

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