きもの男子通信

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

オリンピック閉会式での小池さんの着物の着付け、についてのあれこれから考えたこと

リオ・オリンピックの閉会式で、東京都知事の小池百合子さんが、着物を着ていらっしゃいました。
その時の着物、というか着付けについて、日刊ゲンダイDEGITALに
「着付け師も「残念」 小池知事“リオ五輪着物”大失敗の理由」
という記事が載っていました。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188405/1

内容は、谷口さんという着付師の方の、小池さんの着付けと着物での立ち居振る舞いについてのコメントです。どういうコメントかというと・・・

1。帯の位置が3センチ高い。これは若い女性の締める高さ。年配の女性の場合は、体型が変わるので帯の位置を下げるのが常識。
2。肩や二の腕などが膨らんで身幅が大きく見える。これは、襦袢と、着物のサイズと素材が合わないからだろう。本来はもっと細身に着られるはずなのに残念。
3。裾が広がっている。着物の引き上げが不十分だったのではないか。
4。五輪フラッグを振る時、体を安定させるために両足を開いたのはやむを得ないと思う。しかし、着物に慣れている人なら、両足を開いて片方の足を少し後ろに引き、引いた足のつま先を内側に向ける。自分から見て両足が『ハ』の字形になり、奇麗な印象を与える。逆ハの字形はよくない。
5。両手を左右にだらりと下ろすのも作法に合っていない。両手は前で揃える。そうでなければ、両手を膝に添えるくらいの配慮が欲しい。

閉会式での小池さんの着物姿の写真には、ちゃんとして見えるものもあるし、「あれっ」と思うものもあります。屋外だから風が吹いたのかもしれないし、報道写真なので、普通はあまり撮られないような角度で撮られているのかもしれません。なので、よくわからない。でも動画で見たところ、着物と着付けはすごくおかしいとは思わなかった。

少なくとも「大失敗」ではないと思う。



でも、「ここをこうしたらもっと良くなる」というのは、もちろんあると思います。そういう意味で、谷口さんのようなコメントはありだと思います。

特に、五輪フラッグを振るとき、両足を開いてもつま先を広げず、「片方の足を少し後ろに引き、引いた足のつま先を内側に向ける。自分から見て両足が『ハ』の字形になり、奇麗な印象を与える。」というアドバイスは、目からウロコ!「閉会式の前に、だれかが小池さんにお教えしていたら・・・」と思いました。

ところで、このゲンダイの記事の着付師の方のコメントについて、君野倫子さん(文筆家・日本文化キュレーター・ディレクター・着物スタイリスト)が、ご自身のFacebookで、
『「帯の高さが3cm高かった」って!?3cmって何?もういい加減、こういう重箱の隅っこを突くようなこと言うのはやめようよ。・・・』
というお話を書いていらした。

https://www.facebook.com/rinko.kimino.5/posts/992968170801471?pnref=story

私は君野さんの本を読んでいて、普段着としての着物を推奨するスタンスに、共感していたので、ショックでした。

洋服だったら、ジャケットの丈が3センチ違ったら、かなり見え方が違うこともあるってことは多くの人が知ってるし、買ったりお直ししたりするとき考えますよね。

着物に限らず洋服でも、着るものについて、3センチの違いは大きいと思う。
そして、洋服だとそれが、多くの場合洋服自体のデザインで、固定的に決まってしまうんだけど、着物場合は、着付けでかなり自分で調整できる。

帯の位置、襟の抜き方、着丈の決め方などなど、同じ着物でもいろんな着付けができる。
着付けによって年齢や個性やTPOに会わせたディテールのデザインをすることができるわけです。

そういう意味で帯の位置もとても大事だと思う。

君野さんのFacebookの上記の文章には、19,000人以上の人が「いいね」をしています。
また、賛同のコメントも沢山あって、多くの人が、谷口さん(ゲンダイの記事の着付師の方)のコメントを、難癖、意地悪みたいに捉えているようでした。

でも、谷口さんは、問題点を指摘するだけでなく、どうしたら良いかも説明しているので、難癖や意地悪ではなくて、「アドバイス」だと思う。

特に小池さんは、元防衛大臣で東京都知事。そういう方が、オリンピックの閉会式に色留袖という礼装で、登場したのだから、できるだけベストの状態で出られるのがいいと思うし、小池さんはこれからも着物で公の場に登場する機会があると思うので、谷口さんのアドバイスはとても有用だと思います。

着物は、着付けが大事だし、これが実際なかなか難しい。
何回も何回も着て、いろいろ注意されて、だんだん身に付いてくるもの。
着物を着るどころか、着物姿を見ることも少なくなった現代では、最初からうまく着るのはほとんど無理だと思う。
それが面白いし、楽しいところだと思うんだけど、今の時代、アドバイスされても「うざい」と思う人が多いんだろうなー。

でも、着物について「着ただけでほめてあげるべき」ってことになると、たくさんの人が日々「イケてる・イケてない」、「ダサい・ダサくない」と考えている洋服との「かっこよさ」の差は、どんどん大きくなる気がします。
そうすると、なんというか、着物は「ファッション」じゃなくて「着てるのが素晴らしい民族衣装」になっちゃうね。

もちろん、着物に対するコメントには、勘違いや意地悪や、あるいは単なる意見の相違もあるとおもうんだけど、少なくとも自分が信頼できる人のアドバイスや納得できるアドバイスは、聞いた方がいいと思います。

・・・というようなことを本来なら、君野さんのフェイスブックへのコメントとして書くべきだと思うけど、19,000人以上の「いいね」がついていて、賛同のコメントにあふれてる中に書くのは、怖かった。

ほとんどの人は「ウザい」と思うだろうな、と思うから。
そして、理屈を重ねれば重ねるほど、ウザいと思われるだろう、とも思う。

じゃあ、どうすればいいのかと言うと、やはり、できるだけ、ウザいと思われないど努力をするしかないんだと思う。

たとえばさっきの帯の高さの件でいえば、
「洋服でもジャケットの丈が3センチ違えば、ずいぶん見え方も変わりますよね。それに、30代の人と60代の人が同じシルエットというのも難しい場合が多いと思います。」
みたいな、説明を加えるのがいいかもしれません。

だとしても、もう炎上しちゃってる中では、難しいと思う。タイミングも大事ですね。

※にほんブログ村というランキングに参加しています。今回の記事、面白いと思われたら、下のボタンのクリックをお願いします。
にほんブログ村 ファッションブログ 男性着物・和装へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

 

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。