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きもの男子通信

玉三郎さんの淀君「沓手鳥狐城落月」・・・10月大歌舞伎夜の部

書こう書こうと思っていましたが、考えがまとまらず・・・ちょっととっ散らかってますが、忘れないうちに書いておくことにしました。



「沓手鳥狐城落月」は「ほととぎすこじょうのらくげつ」と読みます。

大阪城の最後を描いた、坪内逍遥作のお芝居です。

最初は大阪城奥殿の場。
金泥に松の襖絵の御殿に淀君、千姫、そして侍女たちがいます。

徳川方に通じ、千姫を連れ去ろうとした小車の局を、淀君(玉三郎さん)が薙刀で成敗。疑心に囚われた淀君は、周りの者たち叱責し、疑いまくる。もちろん千姫(米吉さん)も。

戦火はさらに激しくなり、千姫は大阪城を脱出。

追いつめられ、大阪城の天守閣に登った、淀君たち。淀君はもはや正気を失って、色々なことを口にします。家来の一人である内膳にしなだれかかったりもするのです。「狂気の権力者」というより、一人の女性の色々な面が次々と現れる、という感じでした。周りの人々ももはや淀君を恐れるというより、心配しているという様子です。息子の秀頼は、そんな淀君をみて、思いあまって手にかけようとするのですが、周りの者達が必死に問えます。

この場面に「この日本四百余州は、みずからが化粧箱も同然じゃ」という有名な台詞があるのですが、玉三郎さんは、そこも、浮かんでは消える色々な言葉の一つ、という感じで、とりわけ声を張るようではなく、言ってらした。

もともと坪内逍遥は、朗々と台詞を言うように考えていたそうで、例えば歌右衛門さんもそのように演じていたそうですが、玉三郎さんはかなりそれとはちがったもののです。

私は歌右衛門さんの淀君は観ていないので、比べることはできませんが、この玉三郎さんの淀君、とてもいいと思いました。

最後の最後に現れたのは、権力者でも妖艶な女でもなく、一人の母の顔。

秀頼の顔をみて「涙でいっぱいだ」と不思議そうに、少し心配そうに見ている。

それを見た秀頼も、ただこの母を助けたいと思う。そして周りの人もそれがもっともだと思う。

淀君の錯乱が、私には認知症の人のようにも見え、同じように感じて胸を突かれる思いがしたお客さんもいたと思います。


これは幕間のお弁当についていたお吸い物。

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